”E−030.農研機構野菜茶業研究所を中心とする産学官13機関の参加する研究開発コンソーシアムは、オールジャパンで取り組み、健康機能成分が失活しない製法や香り豊かな茶にするなど栽培法や加工法の茶産地での実証試験を重ねているという。また、機能性成分メチル化カテキン高含有の緑茶のティーバッグ化に成功し、機能性表示食品として開発するなど成果が出始めているという。 【化学工業日報 2015.8.7朝刊 4面】“ ”E−032.千葉大学は、人工の酵素反応で有用物質を高効率に作製する手法を開発。反応の原料や生成物における特異性が中程度でも組み合わせによって目的物質だけをつくるは反応を導くことができる。天然にない炭素50個のアスタキサンチンを15段階で合成する反応で実証した。様々な人工生合成に応用できる可能性があるという。 【日刊工業新聞 2015.8.10朝刊 14面】“ ”E−037.住友ベークライト鰍ヘ化学品「フェノール」を稲わらやトウモロコシの茎などの植物から量産する技術を確立。フェノールを原料とする高機能樹脂は耐熱性に優れ、自動車部品などに使用されている。これまでは石油を原料としていたが、調達先を多様化でき、新技術では、菌を活用するため、30〜33度程度、1気圧の常温・常圧の環境下で生成可能。このため、エネルギーの使用を抑えCO2の排出を7割削減できるという。 【日経産業新聞 2015.8.11朝刊 9面】“ ”E−049.米農務省の農業調査局(ARS)はアブラムシ類の天敵(捕食)製剤として有効なナナホシテントウの卵を増やし、回収する容器を開発。卵のうちからハウスの中でふ化させることで、逃げない幼虫のうちから成虫になるまでに数百匹のアブラムシを捕食させようという狙い。容器は大量の卵を産み付けられる広口の瓶で、メッシュの蓋が付いており、中央に帯が数本垂れ下がっていて、帯に産み付けられた卵を回収する仕組み。 【日本農業新聞 2015.8.16朝刊 2面】“ ”E−065.愛媛県畜産研究センターは、乳牛にミカンジュースかすを与えると、生乳中に機能性成分のβクリプトキサンチンが増え、豆腐かすを与えると共役リノール酸が増えることを確認。ただ機能性成分が増える量は多くはなく、かといって給与量を増やすと牛が飼料を食べない恐れもあり、実用化には、まだ検討が必要という。 【日本農業新聞 2015.8.27朝刊 14面】“ ”E−072.理化学研究所は、植物の細胞1個レベルの成分を分析する方法を開発、その手順を公開。同方法を用いることで植物細胞中の成分の局所情報を数分内に検出可能。植物工場での育苗条件の最適化などに役立つという。理研は産業化に向け、開発研究について、産業連携本部連携推進部が窓口となり、企業からの問い合わせに応じる。 【化学工業日報 2015.8.31朝刊 5面】“ ”E−073.岐阜大学は、音響により農産物や食品の体積を瞬時に計測する技術を開発。サクサク感などの食感を数値化できるという。食品業界が求めている客観的な評価のための非破壊計測技術になるため、これをソフトウエアとして実装する計測器の実用化を目指している。開発した技術は、「ヘルムホルツ共鳴」と呼ばれる音響が生じる現象をベースにしたもので、この現象を利用し内部の物質の体積を測定する。 【化学工業日報 2015.8.31朝刊 5面】“ ”F−008.東京農業大学と金沢大学は、漢方生薬・麻黄の国産化にめどを付けた。マオウ属の薬用作物から作る麻黄の優良系統を選抜し、施肥法などを組み合わせ、国が定める有効成分量を確保できる栽培法を確立。麻黄は全量を中国からの輸入に頼っているが、中国が輸出制限を始めたことから、国内生産できるよう研究をしてきたという。 【日本農業新聞 2015.8.31朝刊 1面】“ ”F−009.京都大学は、直径数mmの細管に原料を流しながら超高速で化学反応を進める装置を開発し、4秒以内で農薬の原料を合成することに成功。管が細いので溶液が瞬時に混ざり、従来不可能だった不安定な物質を使った化学反応を起こすことが可能となった。有毒な触媒も不要で、製造コストの削減にもつながる。農薬や医薬品などの複雑な物質を管を使って連続的に製造する試みが加速する可能性がある。 【日本経済新聞 2015.8.31朝刊 15面】“ ”F−014.宮崎県畜産試験場は、鞄。原製作所と共同で、肉用繁殖雌牛の太り具合を簡単に測定できる簡易皮下脂肪厚計を開発。同社が製造、代理店を通じて全国販売するという。果実硬度計を応用し、先端部を牛の腰骨(腰角)に押し当てて、その硬さから太り具合を判定。簡単に使え、痩せ過ぎ、太り過ぎになっていないかが、一目で判断できる。その結果を基に飼養管理を改善し、繁殖成績の向上につなげる。 【日本農業新聞 2015.9.2朝刊 16面】“ ”F−017.石川県農林総合研究センターは、肉や魚、野菜をよりおいしく長持ちさせる新たな加工技術を開発。熟成肉や漬物を作る際に有効で、深海1万メートルと同じ圧力を食材にかけると同時に50〜70度で加熱すると、旨み成分が増すことが判明。殺菌効果も高まるため、従来より長期間保存できるという。県は特許出願の手続きを進めており、成果を地元の食品関連企業と共有して県産食材の付加価値を高めていく。 【北国新聞 2015.9.2朝刊 31面】“ ”F−019.長崎県総合水産試験場は、国の委託を受け進めているクロマグロ養殖の研究事業で、人工ふ化から育てた成魚を産卵させ、その卵をふ化させる「完全養殖」に成功したと発表。”県産マグロ”で完全養殖が成功したのは初。将来的に県内の生産者が技術を取り入れ、完全養殖クロマグロの販売までを目指す。 【長崎新聞 2015.9.3朝刊 9面】 【日刊水産経済新聞 2015.9.4朝刊 6面】“ ”F−026.北里大学は、養殖用のニホンウナギの稚魚に別の種類が混雑しているかどうかを素早く判別する技術を開発。稚魚が入った容器の水を調べるだけで、ふんなどに含まれる遺伝子から鑑定可能。稚魚を運ぶ袋の水からふんやウナギの体から落ちた組織などをこしとり、DNAの配列を調べ、世界に19種類いるとされるウナギの種類を特定するという。 【日本経済新聞 2015.9.7朝刊 13面】“ ”F−027.長野県果樹試験場は、塩尻市の現地実証園で取り組んでいるリンゴ「ふじ」の高密植栽培(トールスピンドルシステム)の収量が昨年は10アール換算で、国内平均収量(2トン)の4倍近い7.6トンだったことを明らかにした。定植7年目の園でトールスピンドルシステムの国内収量が、研究機関のデータで明らかになるのは初。同試験場は、園芸学会で詳細を発表する。 【日本農業新聞 2015.9.8朝刊 16面】“ ”F−034.筑波大学などの研究チームは、収量や品質などに関わるDNAの大量な情報を解析・予測して個体を選抜する新技術「ゲノミックセレクション(GS)」を利用して、ソバの育種期間を飛躍的に短縮し、3年で収量を1.44倍に上げることに成功。ビッグデータと呼ばれる大量のデータを処理する技術を育種に利用したという。この成果は11日から新潟県で開催される日本育種学会で発表された。 【日本農業新聞 2015.9.10朝刊 14面】“ ”F−052.近畿大学は、人工孵化させた稚魚を中米・パナマの沖合のいけすで幼魚まで飼育することに初めて成功したと発表。同大学は「完全養殖へ向け大きく前進した。2〜3年後には成功させたい」としている。同大学では、2010年にパナマなどと同研究を開始。昨年11月に卵から稚魚を育てることに成功し、今年6月には稚魚約240匹沖合のいけすに移送。その後、陸上の水槽で飼育し、8月末時点で18匹が生存していた。 【読売新聞(大阪) 2015.9.25朝刊 34面】 【読売新聞 2015.9.25朝刊 37面】 【日刊水産経済新聞 2015.9.28朝刊 1面】“ ”F−056.水産総合研究センターは、「レプトセファルス」と呼ばれる卵からかえったばかりのニホンウナギの赤ちゃんに、生シラスを配合した魚粉ベースの餌を与え、稚魚のシラスウナギにまで育てることに成功。24日、東北大学で開催された日本水産学会で発表した。ただ、生き残る確立はサメの卵を使った餌よりもかなり低く、同センター増田研究員は「今後も餌の配合の改善を進めたい」と話す。 【静岡新聞 2015.9.25朝刊 29面】 【北国新聞 2015.9.25朝刊 10面】 【富山新聞 2015.9.25朝刊 10面】“ ”F−060.鹿児島県農業開発総合センターは、カテキンといった機能性成分を残したまま、夏茶特有の不快な香り「夏茶臭」を抑える生葉冷却システムと製茶法を開発。収穫した生葉をすぐに製茶せず、開発装置で冷却して温度を5度下げ、その後、外気温より10度低い状態で4時間保管すると、夏茶臭は発生しなくなるという。この技術を生かせば、二番茶、三番茶など夏茶の品質改善や付加価値向上につながる。 【日本農業新聞 2015.9.27朝刊 1面】“ |
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