MICS NEWS Vol.13 Number 2

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

””A−060.徳島県農業研究所は、サツマイモ「なると金時」の栽培に必要な客土に吉野川の川砂を利用すると、土壌の粒径割合が改善され、塊根の形状が良くなることを確認した。今後は、施肥試験などをして、川砂を使った場合の栽培技術を確立していく。
  【日本農業新聞 2012. 4.17朝刊 12面】“


”A−063.農研機構は、「簡易測定用試薬と簡易吸光度計を用いた畑土壌分析マニュアル」を公開した。適正な施肥を行うため、実験設備のない農業現場でも実施可能な新手法として開発した土壌中水溶性リン酸の測定法や、近年開発された畑土壌可給態窒素の簡易・迅速評価法を応用しつつ、目視によらず簡単に詳しく数値化できる測定法などを紹介したもの。
           【化学工業日報 2012. 4.18朝刊  4面】“


”A−067.農業生物資源研究所や(株)バキュロテクノロジーズ、(株)シマ研究所は、共同で、カイコの培養細胞を用いて、犬フィラリアの診断に有効なたんぱく質の生産基盤技術を開発した。寄生虫フィラリア由来の抗原産生遺伝子を突き止め、遺伝子組み換え技術によってカイコ細胞で効率よく培養、発現させる方法を構築した。
   【化学工業日報 2012. 4.20朝刊  9面】“


”A−072.長崎県工業技術センターは、果実の高品質化に向け、木の葉の乾き具合(水分ストレス)を簡単に計測できる「非接触式水分ストレス計」を開発した。計測器は重さ約900グラム。葉が茂った所を約20秒、付属のカメラでスキャンすれば、目で確認できない乾きに伴う葉の微妙な色の変化を認識し数値化する。
          【長崎新聞 2012. 4.19朝刊  7面】“


”A−074.農研機構畜産草地研究所は、酪農で通常精液だけを使った場合と雌雄選別精液利用での営農試算を行った。受胎率の低下や授精コスト上昇を踏まえても、選別精液利用による利幅が大きかった。ただ、受胎率が下がれば経費が増えて収入が減るので受胎率向上のための母体管理が重要。
           【日本農業新聞 2012. 4.21朝刊 16面】“


”A−076.栃木県農業試験場は、パンづくりに適した小麦を安定的に生産できる栽培法を開発した。パン用小麦は一定のたんぱく質を含む必要があるが、窒素を含む肥料を適切な時期に与えることで含有率を高めることに成功した。新手法の開発を受けて栃木県は量産体制の構築に乗り出す。
        【日経MJ(流通新聞) 2012. 4.23朝刊 14面】“


”A−077.(株)松本微生物研究所は、封入体たんぱく質(不溶性かつ不活性たんぱく質)を高効率で活性たんぱく質(可溶化たんぱく質)にする技術を開発した。独自の活性処理により封入体の80−90%を活性たんぱく質として得られ、効率は従来の5−6倍になる。試薬分野で成長ホルモンなど各種たんぱく質の受託生産技術に応用する。 
          【日刊工業新聞 2012. 4.23朝刊 13面】“


”B−004.山梨県工業技術センターと山梨県環境科学研究所は、共同で、環境に優しいとして注目される植物由来のプラスチック「ポリ乳酸(PLA)」の原料となる乳酸を、山梨県内で排出される食品廃棄物から精製する技術を確立した。ワインを醸造する際に出るブドウの搾りかすと、しょうゆかす、米ぬかを原料にする方法で、国内で初めて確立した。 
          【山梨日日新聞 2012. 4.25朝刊 22面】“


”B−005.横浜国立大学は、植物の感染予防薬の候補となる物質を効率的に探す技術を開発した。「プロモーター」と呼ぶ塩基配列が命令すると、植物の遺伝子が病原菌を殺す抗菌たんぱく質を作ることに着目し、ホタルの蛍光色素の遺伝子を組み込み、プロモーターが抗菌たんぱく質を作ると細胞が光るようにした。 
          【日経産業新聞 2012. 4.25朝刊  7面】“


”B−016.中国のゲノム(全遺伝情報)解析会社BGI(深?)と中国科学院遺伝・発育生物学研究所は、人間がその肉やミルクを摂取すると、心臓発作や冠動脈性心疾患のリスク低下につながる「体に良い脂肪」を持つ遺伝子組み換えのクローン羊を誕生させた。このクローン羊は、体内で心臓病の危険を低減する多価不飽和脂肪酸を作り出す。
           【日刊工業新聞 2012. 5. 3朝刊 13面】“


”B−024.東京大学大気海洋研究所と北海道大学、沖縄県水産試験場は、共同で、熱帯や亜熱帯の海に生息するシャコガイの貝殻成分を分析し、過去の日射量を約3時間間隔で精密に推定する技術を開発した。シャコガイは海水中のカルシウムを取り込んで貝殻を作り、木の年輪に似た「日輪」が1日1本できる。
             【毎日新聞 2012. 5. 8朝刊 19面】“


”B−028.宮城県古川農業試験場は、シンジェンタジャパン(株)、(株)サンエーと共同で、大豆の生育後期にほ場に残る雑草を省力的に処理する方法を開発した。高濃度の薬剤を泡状に吐出する専用の器具で雑草の1〜3カ所に塗布すれば、30日後までに枯死する。非選択性除草剤のグリホサートカリウム塩液剤を2倍希釈という高濃度で利用する。
            【日本農業新聞 2012. 5. 9朝刊 16面】“


”B−030.京都府茶業研究所は、小泉製麻(株)と共同で、茶葉に当たる日光を遮る高級茶特有の被覆栽培用の新資材を開発した。ヤシの実の皮で作った天然素材で、目の粗いマット状。ポリエチレン製の寒冷紗(かんれいしゃ)より茶葉の温度が平均1.7度も抑えられるなど吸温性に優れ、本(ほん)ず被覆に近い高品質の茶が期待できる。 
 【京都新聞 2012. 5. 9朝刊 23面】“


”B−033.昭和電工(株)は、山口大学と共同で、LED(発光ダイオード)照明を用いた植物工場で、従来の蛍光灯などに比べ同じ期間でより多くの収穫量が見込める新たな栽培法を確立した。LED照明が放つ赤色と青色の光の比率を農作物の生育過程に応じて調整し、効率よく栽培する。
     【フジサンケイビジネスアイ 2012. 5.10朝刊  7面】“


”B−040.米マサチューセッツ工科大学(MIT)は、果物や野菜の食べごろを判別する安価なセンサーを開発した。実から出るエチレンガスの濃度で、熟し具合を見積もる。収穫した作物の近くにセンサーを取り付けておくと、食べごろに合わせて出荷できるようになる。 
          【日経産業新聞 2012. 5.11朝刊 10面】“


”B−041.農研機構と京都産業大学は、共同で、ウシやブタの飼料に発生するカビの毒素を効率よく分解する技術を開発した。紫外線を当てて毒素の濃度を10分の1にできた。カビ毒はマイコトキシンと呼ぶ物質で、家畜の食欲減退や下痢、肝障害などの一因とされる。
           【日経産業新聞 2012. 5.11朝刊 10面】“


”B−048.山梨県総合農業技術センターは、コチョウランの花茎の発生を抑えるための温度管理で、夜温を慣行より10度低い18度に設定しても同じ効果があることを確かめた。花の品質は、慣行と同等以上の良品に仕上がることも分かった。省エネになり、試験では年間35%の燃料費を削減できた。
           【日本農業新聞 2012. 5.16朝刊 14面】“


”B−049.農研機構東北農業研究センターは、ニンニクの周年出荷で氷点下貯蔵する場合、貯蔵前の乾燥方法として温度を上下に変温させる「テンパリング乾燥」が有望なことを明らかにした。乾燥コストを下げられるテンパリング乾燥でくぼみ症の発生が減り、他の品質低下の症状も少なかった。
           【日本農業新聞 2012. 5.16朝刊 14面】“


”B−059.東京大学は、コンニャクの成分をエステル化した新規バイオマスプラスチックを開発した。エステルの種類や量によって強度や伸びを幅広く調節することができ、非晶性樹脂で透明性に優れるのが特徴。エステルの種類と量によってポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどと同等の物性を発現する。 
          【化学工業日報 2012. 5.21朝刊  3面】“


”B−062.東京工業大学と出光興産(株)は、共同で、植物から作ったバイオエタノールから汎用樹脂原料を合成する技術を開発し、経済性があることを確かめた。自動車のバンパーなどに使われるポリプロピレン樹脂の製造に使う。新技術でポリプロピレンを年間100万トン製造すれば、約300万トンの二酸化炭素を減らせる。
     【日本経済新聞 2012. 5.22朝刊 14面】“


”B−063.三井化学(株)と大阪大学は、共同で、遺伝子組み換え大腸菌で、ポリプロピレンの原料となるアルコールの一種イソプロパノールを作った。水分を取り除く処理をすればプロピレンができる。従来の菌を使う技術より生産性は10倍ほど上がり、糖1キログラムからイソプロパノールが約250グラムできる計算になる。
    【日本経済新聞 2012. 5.22朝刊 14面】“


”B−064.静岡県農林技術研究所果樹研究センターは、かんきつ類のウイルス病の簡易な検定法を開発した。新しい方法では果皮を使うことから、花が咲いて実がつく5月から収穫時期まで長期間検定できる。また、生産者が1人で、15分という短時間で検定でき、特別な機器は必要とせず現場レベルで診断できる。 
          【日本農業新聞 2012. 5.22朝刊 18面】“


”B−066.(株)クラレは、米アミリスと共同で、サトウキビを原料とするタイヤ用液状ゴムを開発した。開発した液状ゴムは、分子と分子をくっつきやすくさせる「ファルネセン」と呼ぶ分子の構造をもち、タイヤの主原料の天然ゴムや合成ゴムと、補強材であるカーボンブラックを密着させる、原料同士の橋渡し役となる。 
       【日経産業新聞 2012. 5.22朝刊  2面】“


”B−067.淡路農業技術センターは、乳牛の健康状態の目安となる胃液の水素イオン指数(pH=酸性、アルカリ性の度合い)を、無線センサーを使って長時間連続測定することに成功した。新しい手法では餌を与えながらpHの変動を確認できるため、効果的な飼料配合などに生かせる。
             【神戸新聞 2012. 5.22朝刊 10面】“






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