MICS NEWS Vol.12 Number 10
          5.生体機能 … 機能の発見、製品開発 etc.
             

”J−008.東京工業大学、国立遺伝学研究所、東京大学は、共同で、生きた化石と呼ばれる古代魚シーラカンスのゲノム(全遺伝情報)を解読した。水中でフェロモンを感じ取る遺伝子の一部がほ乳類など陸上動物と共通していることが初めて分かった。水中から陸へと生活環境を変えた進化の謎を解く手掛かりになる。         
        【日本経済新聞 2011.12.28朝刊 34面】             
        【産経新聞 2011.12.28朝刊 20面】             
        【静岡新聞 2011.12.28朝刊 25面】             
        【東京新聞 2011.12.28夕刊  6面】             
        【読売新聞 2011.12.28夕刊 10面】“


”J−010.森林総合研究所は、徳之島に生息する国の天然記念物トクノシマトゲネズミが、集落に近い島南部の生息地で著しく減少していることを確認した。野生のネコなどの天敵が増え、保全策の強化が急務としている。トクノシマトゲネズミは体長約15センチの絶滅危惧種。生息数など詳しい生態は分かっていない。          
        【南日本新聞 2011.12.27朝刊 19面】“


”J−021.農業環境技術研究所は、茶の主要害虫チャノコカクモンハマキが一定の間隔で発生ピークを繰り返す仕組みを突き止めた。幼虫の期間に生存競争で多くが死ぬ上、成虫になってから繁殖できる期間が限られているため、春から秋にかけて規則的な世代交代を繰り返している。害虫の発生するサイクルを正確に把握でき、薬剤散布のタイミングもつかみやすくなる。            
        【日本農業新聞 2012.1.11朝刊 14面】            
        【化学工業日報 2012.1.11朝刊  4面】         


”J−025.山梨県水産技術センターは、キングサーモン(マスノスケ)とニジマスを交配した新しい養殖魚「ニジノスケ」を開発した。異なる魚種を交配すると多くは卵のまま死んでしまうため、種なしスイカなどに使われる「染色体操作」という技術を利用した。染色体操作による養殖魚は、ニジマスとブラウントラウトを交配した長野県の「信州サーモン」などがある。             
        【産経新聞 2012. 1. 6朝刊 27面】             
        【中日新聞 2012. 1. 6朝刊 28面】           
        【山梨日日新聞 2012. 1. 6朝刊 23面】           
        【日本経済新聞 2012. 1. 6夕刊 14面】“


”J−026.米オレゴン健康科学大学は、体細胞クローン技術を応用して、6匹の“親”から遺伝情報を受け継いだアカゲザルを誕生させることに成功した。異なる遺伝情報の細胞が混ざった生物は「キメラ」と呼ばれ、マウスでは広くつくられているが、サルでは初めて。           
        【日本経済新聞 2012. 1. 7朝刊 34面】             
        【東京新聞 2012. 1. 7朝刊  3面】             
        【毎日新聞 2012. 1. 7夕刊  6面】“


”J−030.名古屋大学は、餌を獲るときに左右性(右利き、左利き)があるとされるアフリカの魚の捕食行動を明確に撮影、分析することに成功した。この魚は比較的単純な脳を持つため、研究モデルとして適している。人間の利き手と脳構造の関係解明への応用も期待できそうだ。           
        【日本経済新聞 2012. 1. 7朝刊 34面】“


”J−032.北海道立総合研究機構工業試験場は、ホタテやアサリを食い荒らすヒトデの骨片が、観賞魚用水槽の水の浄化に効果があることを突き止めた。市販の浄化剤に比べ浄化効果が長持ちするうえ、製造コストも安い。ヒトデの骨片はヒトデを酵素で分解して得られ、粒子は直径約1ミリ。粒子にある無数の小さな穴が、硝化菌など微生物の定着に適している。            
        【北海道新聞 2012. 1. 9朝刊  2面】“


”J−038.名古屋大学は、植物細胞の大きさをコントロールする仕組みを解明した。細胞分裂にかかわる遺伝子「GIG1」を発見し、この機能解析を行ったところ、「GIG1」は、有系分裂の制御に重要な後期促進複合体(APC)というタンパク質の複合体の活性を抑えることがわかった。APCの活性を調節すれば、植物の果実などを倍化することが容易にできる可能性がある。           
        【化学工業日報 2012. 1.11朝刊  9面】“


”J−043.自然科学研究機構基礎生物学研究所は、メダカの餌となるミジンコの動きを分析し捕食行動を引き起こす「揺れ」(波形パターン)を特定した。ミジンコが動く軌跡を調べ、「ピンクノイズ」という数式で人工的に再現できる波形パターンを発見した。この数式を使って光の点で揺れを再現したところ、メダカが光の点を餌と思い込んで食いつく動きを見せた。           
        【日本経済新聞 2012. 1.12朝刊 38面】“


”J−047.産業技術総合研究所は、タンパク質合成に関与する翻訳因子がRNA合成の補因子として新たな機能を受け持っていることを分子レベルで解明した。ウイルスの感染、増殖による宿主の翻訳因子の役割を分子レベルで解明していく進展材料となり、新規抗ウイルス剤開発の基盤技術確立に役立つ。           
        【化学工業日報 2012. 1.16朝刊  9面】“


”J−050.(財)かずさDNA研究所は、王子製紙(株)と共同で、ユーカリ品種Eucalyptus camaludlensisの全ゲノムを解読した。ゲノム中には約7万7000個の遺伝子のあることがわかった。木質合成やユーカリに特徴的な油成分の合成に関与する多数の遺伝子が発見された。Eucalyptus camaludlensisは、オーストラリア原産の植物で、製紙原料として主に利用されている。           
        【化学工業日報 2012. 1.17朝刊  9面】“


”J−054.理化学研究所は、窒素の濃度が低い環境下で植物が効率よく窒素を吸収する仕組みを解明した。低濃度の時にだけ働く輸送タンパク質があり、根の細胞の表面から直接窒素を取り込んでいることが分かった。窒素肥料を減らしても生産性の落ちない農作物の開発に応用できる可能性がある。           
        【日経産業新聞 2012. 1.17朝刊 10面】“


”J−058.海洋研究開発機構は、これまで知られているなかで最古の細菌を見つけた。35億〜40億年前に登場したと考えられる。鹿児島県の鉱山の地下坑道内で、約70度の熱水中に存在していた。遺伝子の特徴から、これまで知られているなかでもっとも原始的な特徴を持つことを突き止めた。地球生命の誕生と進化の謎を解き明かす手がかりになる。           
        【日本経済新聞 2012. 1.18夕刊 14面】           
        【日刊工業新聞 2012. 1.19朝刊 25面】           
        【日経産業新聞 2012. 1.19朝刊 11面】“


”J−070.米ワシントン大学は、モデル植物であるシロイヌナズナのタンパク質などを使い、植物の表面にある気孔の数を抑える仕組みを解明した。気孔は大気中の二酸化炭素を効率よく取り込む通気口で、光合成産物の生産能力や大気環境に大きな影響を与えている。気孔の形成を制御することで、乾燥耐性や高い二酸化炭素吸収能力を持つ作物の開発が期待できる。           
        【日刊工業新聞 2012. 1.20朝刊 25面】“


”J−078.理化学研究所発生・再生科学総合研究センターは、クローン生物の出生する成功率が低いのは、細胞分裂の初期段階で染色体異常が起きやすいことが原因とする研究結果を発表した。マウスの細胞内に特殊な蛍光色素を注入し、初期段階の細胞分裂を連続観察することで判明した。この技術を使えば正常なクローン胚を見分けることができ、成功率の上昇につながる。         
        【毎日新聞(大阪) 2012. 1.26朝刊  3面】         
        【読売新聞(大阪) 2012. 1.26朝刊 31面】           
        【日経産業新聞 2012. 1.26朝刊 11面】           
        【化学工業日報 2012. 1.26朝刊  9面】“





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