MICS NEWS Vol.12 Number 9

         3.技術・装置等の開発 … 生産技術、分析、医療・医薬 etc.

             

”H−083.水産総合研究センターは、有明海で採れたカキの種を使い、カキを養殖する実証実験に成功した。宮城県産の種を使う現行の養殖法に比べると、水温が高くても成長するため夏場の養殖を効率化できる。今回育ったカキは宮城県産の種を使ったものに比べて小粒だが、生存率が高いため生産コストを抑えられる。       
    【日経産業新聞 2011.11.24朝刊 11面】“

”I−001.農業環境技術研究所は、稲と大麦の葉に生息する微生物を原料に、生分解性プラスチック(生プラ)のマルチフィルムに半日で穴をあける酵素液を大量生産する技術を開発した。試験では1週間ですき込めるほど分解した。酵素液を農薬散布機でまけば、必要な時に生プラを分解できるので農家は営農計画を立てやすくなる。 
    【日本農業新聞 2011.11.26朝刊  1面】           
    【茨城新聞 2011.11.26朝刊 21面】           
    【毎日新聞 2011.11.26夕刊  8面】      
    【毎日新聞(茨城南) 2011.11.27朝刊 25面】         
    【化学工業日報 2011.11.28朝刊  1面】         
    【日経産業新聞 2011.11.29朝刊  9面】         
    【日刊工業日報 2011.11.29朝刊 27面】      

”I−005.石川県立大学と石川県工業試験場は、超音波や電流で発酵を促進する技術を開発した。発酵食品の製造に欠かせない酵母菌や乳酸菌など微生物を効果的に増殖させることに成功した。石川県工業試験場は、発酵状態を超音波で監視するソフトを開発し、小松電子(株)が簡素、廉価な小型機を完成させた。            
    【北国新聞 2011.11.25朝刊 37面】“

”I−006.(株)免疫生物研究所は、遺伝子組み換え蚕(GM蚕)に作らせたタンパク質を使い、化粧品原料の生産に本格参入する研究開発方針を示した。GM蚕による抗体製造を安定的に行うことで、コストダウンにつなげる。GM蚕が作るタンパク質は、化粧品に配合する原料として業界から注目されている。           
    【上毛新聞 2011.11.25朝刊 11面】“

”I−008.(株)免疫生物研究所は、農家の人たちに群馬県蚕糸技術センター内でGMカイコを飼育してもらい、検査薬に使う抗体などを初めて実用生産した。これまで薬などの原料となるタンパク質は、主に大腸菌や培養細胞を使って作られてきた。今冬もヒトコラーゲンなどの生産を目的に、農家にGMカイコを飼育してもらう。   
    【朝日新聞 2011.11.28朝刊 34面】“

”I−013.石川県中能登農林総合事務所は、ゴボウの発芽率が低い粘土質土壌で、発芽率を従来より5倍程度高める方法を明らかにした。昆布から抽出したゼリー状のゲルで種子を被覆する。水にひたしてからまくと発芽率は向上し、発芽後の生育も無被覆より良くなった。         
    【日本農業新聞 2011.11.25朝刊 16面】“

”I−016.弘前大学は、野菜や果樹などの品種改良法として、接ぎ木を利用する技術を開発した。特定の遺伝情報を発現しなくする仕組みを導入して培養し育てた穂木を接ぎ木すると、抑制された遺伝情報が台木に転移。台木の根元から伸びた「ひこばえ(若芽)」が、そのまま新品種の株になる。           
    【東奥日報 2011.11.29朝刊 25面】“

”I−017.ライフケア技研(株)は、近畿中国四国農業研究センターと共同で、果樹などの葉に張り付けて水分蒸散量を定量測定できるパッチを開発した。糖度の高い果実を栽培するには、植物全体の水分を少なめに調整する必要がある。これまで蒸散量の定量測定には高価な機器が必要だったが、パッチは1枚100〜150円で簡単に測定できる。          
    【北日本新聞 2011.11.29朝刊  5面】“

”I−018.水産総合研究センターと慶応義塾大学は、養殖魚の可食部を2倍に増やす遺伝子を特定した。メダカの実験で突き止めた。筋肉量を調整する遺伝子「ミオスタチン」の一部をなすDNAの1つが入れ替わった変異メダカを飼育すると、体長が同じ通常メダカと比べ、背中や腹の肉の量が1.5〜2倍に増えた。       
    【日経産業新聞 2011.11.29朝刊  9面】“

”I−019.水産総合研究センター西海区水産研究所は、長崎大学と共同で、中国や東南アジアで高級魚として扱われるメガネモチノウオ(ナポレオンフィッシュ)の稚魚生産に国内で初めて成功した。人為的に産卵を誘発して効率的に受精卵を得られたことに加え、ふ化した仔魚のエサを改良した。繰り返し生産できる技術の開発は世界初。
    【西日本新聞 2011.11.30朝刊 36面】           
    【長崎新聞 2011.11.30朝刊 26面】         
    【沖縄タイムス 2011.11.30朝刊  7面】           
    【東京新聞 2011.11.30夕刊  7面】       
    【日刊水産経済新聞 2011.12. 2朝刊  1面】“

”I−021.(株)朝日工業社は、遺伝子組み換え植物工場の実用化にめどをつけた。研究成果を基に遺伝子組み換え植物を対象とした完全制御型植物栽培システムを展開し始めた。組み換え遺伝子の拡散を防ぐため、イネの開花時に浮遊花粉を捕集するフィルターや、室圧管理、栽培残さの処理など、クリーンルームの技術を応用している。
     【建設通信新聞 2011.12. 1朝刊  1面】“

”I−024.佐賀県有明水産振興センターは、絶滅が危惧されている有明海特産の二枚貝アゲマキの大量育成に成功した。有明海沿岸部で繁殖適地を選び出し、来年2月から約100万個の稚貝を放流する実証実験を始める。順調に成育すれば、来年秋頃には母貝団地(繁殖地)が形成される。          
    【西日本新聞 2011.12. 1朝刊 30面】“

”I−028.(株)拓水は、水産総合研究センター瀬戸内海水研との産学共同の研究開発でアサリ人工種苗の量産化に成功した。クルマエビとの複合養殖による成果で、アサリの生産性は従来の飼育法の約10倍。来春から周防大島などでクルマエビとアサリの複合養殖を本格的に手がける。           
    【山口新聞 2011.12. 3朝刊  7面】“

”I−032.徳島大学大学院と徳島県立農林水産総合技術支援センターは、施設栽培におけるコナジラミ類やハモグリバエ類といった微小害虫をデジタル画像処理により自動識別する技術を開発した。新技術は、ネットワークカメラで粘着トラップを撮影した画像を、害虫の代表画像(テンプレート)と照合し、害虫の種類や発生数を正確に把握できる。         
    【化学工業日報 2011.12. 5朝刊  4面】“

”I−033.農林水産省は、農研機構や(株)ニシザワと共同で、外食産業や食品メーカー向けの加工用ホウレンソウを低コストで生産する機械化栽培技術を開発した。実験によると畑面積10アールの収穫時間を165時間から約10分の1の17時間に、生産コストをキログラム当たり約91円から約4割の約42円に低減できた。  
    【日刊工業新聞 2011.12. 5朝刊  2面】“

”I−040.農研機構作物研究所、農業生物資源研究所など6研究機関は、コムギの種子休眠性の制御に関与する遺伝子「MFT」を発見し、DNAマーカーとして利用できるように開発した。気温に依存した発現量の変動する遺伝子を探索し、候補遺伝子を絞り込んで見つけた。コムギ種子の休眠性の制御は、良質なコムギを収穫するうえで重要な機能。         
    【化学工業日報 2011.12. 8朝刊 10面】   

”I−047.農研機構近畿中国四国農業研究センターは、岡山大学、(株)アグリ総研と共同で、野菜・果樹の栽培で発生するダニ類を捕食するナミテントウの利用技術を開発した。ナミテントウは多種類のアブラムシを大量に捕食するため、農作物の栽培において高い防除効果が期待できる。さらに飛翔しない系統をを育成したため、作物への定着を高めることに成功した。         
    【化学工業日報 2011.12. 9朝刊  4面】“

”I−052.宮城県農業・園芸総合研究所とJA全農みやぎは、透明なフィルムを土代わりにしてトマトを育てる実証試験を始めた。東日本大震災の津波で多くの農地が塩害に遭い、塩害の影響を受けない農業の一つとして栽培技術の確立を目指す。導入した栽培用フィルムはメビオール(株)が開発。トマトは水や液肥だけを無駄なく吸収し、効率良く育つ。         
    【日本農業新聞 2011.12.11朝刊  1面】“

”I−056.千葉県農林総合研究センターは、アグリセクト(株)と共同で、施設園芸における害虫防除のためのオオメカメムシの活用技術を開発した。アザミウマ類、ナミハダニ、ワタアブラムシなど複数の種類の害虫を捕食する。イチゴ、ピーマンといった作物の栽培における害虫対策として活用が期待される。         
    【化学工業日報 2011.12.13朝刊  4面】“

”I−058.鳥取県畜産試験場は、ホルスタイン牛に給与する濃厚飼料に飼料米を2〜4割と多く混ぜて肥育試験を行い、濃厚飼料だけで育てた牛と枝肉重量や肉質に差がないことを実証した。米を多く混ぜた方が飼料の食い込みが良く、体調の変化もなかった。同試験場は県内畜産農家に飼料米の普及を働きかける考え。       
    【日本農業新聞 2011.12.14朝刊 14面】“

”I−060.静岡大学は、バナナやリンゴなどの農産物の硬さを触れずに調べられる装置を開発した。圧縮した空気を農産物に当て、圧縮空気がへこませた部位の深さなどから、農産物の硬さがわかる仕組み。持ち運びできる小型装置で、木になっている農産物をそのまま測定できる。農産物を傷つけずに硬さを測れる実用的な装置の開発は初めて。         
    【日刊工業新聞 2011.12. 8朝刊  1面】“

”I−065.水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所は、低コストで海産魚類を飼育できる「閉鎖循環飼育システム」を開発した。生物ろ過装置と気泡による不純物除去を併用、省エネ、疫病防止などの利点が多く、排水処理装置としても応用できる。水は常時、循環させているので水温が下がりにくく、ボイラで水温維持しなくても済む。【日刊工業新聞 2011.12.15朝刊 35面】“
”I−068.佐賀県畜産試験場は、凍結保存した豚の受精卵をカテーテルを使って雌豚に移植し、子豚を出産させることに成功した。農研機構動物衛生研究所が開発した移植用のカテーテルを使うことで、開腹に比べ移植作業が容易になった。受精卵移植は、雌雄の生体を購入するケースが多い種豚導入の経費削減につながる。       
    【佐賀新聞 2011.12.15朝刊 17面】“

”I−072.(株)エコニクスは、遺伝子組み換え(GM)技術で作製した植物を利用し、ホルモン様活性を検出する新たなビジネスを本格スタートさせる。第1弾として、女性ホルモンのエストロゲンなどに似た物質の評価系をサービス項目に揃え受託検査を行う。新サービスのベースとなる技術は、植物を使った世界初のバイオアッセイ法で、北海道大学大学院地球環境科学研究院が開発した。         
    【化学工業日報 2011.12.19朝刊  9面】“

”I−073.山梨大学は、日本土着のブドウ品種である「甲州」を活用した培養細胞技術を開発した。遺伝子組み換え技術を利用して甲州から樹立された培養細胞は増殖能力と生存能力が高いのが特徴で、医薬品原料や健康食品原料など高付加価値物質の生産基盤として期待される。         
    【化学工業日報 2011.12.19朝刊  4面】“

”I−074.農研機構九州沖縄農業研究センターは、九州産のトウモロコシから作った飼料と放牧を組み合わせ、肉牛を飼育する技術を開発した。主に牧舎の中で飼育する従来法に比べ、飼育コストや手間を減らせる。米国など輸入飼料への過度の依存からの脱脚にもつながる。新技術で育てた肉牛の肉質は、牧舎で育てた肉牛に比べて脂肪分が少なく、タンパク質やビタミンが豊富だった。         
    【日経産業新聞 2011.12.21朝刊  9面】 

”I−076.弘前大学は、青森県産米「恋ほのか」「まっしぐら」のゲノム(全遺伝情報)の大部分を解読することに初めて成功した。恋ほのかは胴割れを起こしにくいという特徴があるが、その特徴を示す遺伝情報が含まれている可能性がある領域も明らかになった。情報の解読が胴割れしにくい新品種の育成に役立つと期待している。   
    【東奥日報 2011.12.18朝刊 22面】“

”I−077.山梨大学は、細胞の老化を防ぐ効果があるとされるポリフェノールの一種「レスベラトロール」を、甲州ブドウの培養細胞から効率的に生産する技術を開発した。紫外線を照射すると、従来に比べ50倍以上多くできる。甲州ブドウの増殖能力が高いことも実証。レスベラトロールの大量生産が可能なため、付加価値の高い食品や化粧品への応用が見込める。         
    【日経産業新聞 2011.12.19朝刊 11面】“

”I−080.兵庫県立農林水産技術総合センターは、イチゴの栽培でうどんこ病を治すのに、重曹を活用すれば化学農薬の使用量を半分にできることを確かめた。水に溶かした重曹がうどんこ病の病原菌の細胞内に入り込んでイオンバランスを崩壊させ、菌の分生子の発芽や飛散を抑える。         
    【日本農業新聞 2011.12.20朝刊 14面】“






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